日本でも脳を食べる殺人アメーバの感染や死亡は?田んぼや温泉も危ない?
脳を食べる殺人アメーバの正体は?日本での感染例は?

 

脳を食べる『殺人アメーバ』とは、川や湖、池などの温かい淡水に生息しているフォーラーネグレリアのことです。

健康な子供や若者がフォーラーネグレリアによって原発性アメーバ性髄膜脳炎 (primary amoebic meningoencephalitis, PAM) を起こし、なくなってしまう例があります。川や湖や池などでフォーラーネグレリアが生息する淡水を浴び、それが鼻に入った者が発症します。

フォーラーネグレリアは脳内侵入時に脳を溶かしてしまうので、感染した死亡者の病理解剖では脳が溶けているかのような状態であることが多い。ここから「脳を食べるアメーバだ」などと比喩され、「人食いアメーバ」とも呼ばれる。

この殺人アメーバによってアメリカでは感染した143人のうち139人が亡くなっており(1962年〜2017年)、致死率はなんと97%といわれています。

殺人アメーバとは?

フォーラーネグレリア
フォーラーネグレリア
フォーラーネグレリア=殺人アメーバとは?

●フォーラーネグレリア(学名: Naegleria fowleri)は、ヘテロロボサに属する自由生活性のアメーバであり、通常25–35℃ほどの温水環境で見付かる。

●人間に対して病原性を示し原発性アメーバ性髄膜脳炎 (primary amoebic meningoencephalitis, PAM)を起こすことがある。

原発性アメーバ性髄膜脳炎症状は中枢神経系が冒されることで、始めは嗅覚認知(匂いや味)の変化が起こり、続いて吐き気、嘔吐、発熱、頭痛などを示し、急速に昏睡して死に至るものである。このため"殺人アメーバ"と呼ばれる事もある。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/フォーラーネグレリア

この『フォーラーネグレリア』はPAMという原発生アメーバ生髄膜脳炎を引き起こす恐ろしいアメーバです。
一般的にPAMを発症することは非常に稀ですが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると感染の原因は湖や池などでの遊泳後に発症したケースがほとんど。

! 感染経路は鼻

フォーラーネグレリアは、温泉など温かい淡水の環境で繁殖します

通常、PAMは免疫抑制の前歴のない健康な子供や若者のうち、フォーラーネグレリアが生息する淡水を浴び、それが鼻に入った者が発症する。(wikipediaより)

感染例

湖での感染

2020年8月2日米フロリダ州パットナム郡パラトカに住むタナー・レイク・ウォール君(13歳)

家族や友人らとキャンプに行ったタナー君は二日間に渡りフロリダ州北部にあるキャンプ場内の湖で泳いだ。タナー君のお姉さんもお父さんも泳いでおり、他には50人の子供も一緒に湖で泳いでいた。けれども感染したのは一人だけだった。

タナー君は湖で泳いだ2日後に吐き気、嘔吐、激しい頭痛、首の痛みに襲われ、両親が一番最初に連れて行った病院での診断は細菌感染症である「連鎖球菌性咽頭炎」で、タナー君の症状は改善するどころか悪化してしまった。

そのため、疑問を抱いた両親は大学病院にタナー君を転院させたところ「原発性アメーバ性髄膜脳炎に感染しており、残念ながら治療法はありません。」との診断をうけたという。その後タナー君は脳の活動が停止してしまい、人工呼吸器が外された。

タナー君のお父さんお母さんは幼い頃から川や湖で泳いでいて、問題はなかったという。タナー君は釣りやハンティングなどが好きでとてもアクティブな元気な子供だったのでこんなことになり信じられないと話している。

2018年9月米ニュージャージー州に住むファブリチオ・ステイビルさん(29歳)

ファブリチオ・ステイビル(29)は、テキサス州ウェーコの「RSRケーブルパーク・アンド・サーフリゾート」を訪れ、サーフィン用の人工波施設を利用した。その後、自宅のあるニュージャージー州に帰り、9月21日に死亡した。「原発性アメーバ性脳髄膜炎」だった。脳を食べるアメーバ、「ネグレリア・フォーレリ」に感染。

2015年6月ミネソタ州ハンター・ボウテインくん(14歳)

アメリカ中西部ミネソタ州の湖で泳いでいた10代の少年が今週、「原発性アメーバ性脳髄膜炎(PAM)」による危篤状態に陥り、その後死亡した。PAMは、いわゆる「脳を食べるアメーバ」によって引き起こされる珍しい病気だ。

7〜8月という夏の時期には、この感染症のニュースを耳にするのは珍しいことではない。先週も(2015年7月10日のニュスより抜粋)カリフォルニア州の女性がPAMで死亡した。ただし全米の死者は最高でも年間8人程度。

ネグレリア・フォーレリに感染することは滅多にないが、感染すれば、その致死率は極めて高い。1972年以降、PAMと診断された患者は134人だが、そのなかで生き延びたのはたった3人だけ。2013年にPAMに感染したアーカンソー州の12歳の少女は完治している。

(出典:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/07/post-3763.php)

鼻洗浄器での感染

感染例としては、2011年にルイジアナ州で男子大学生と50代女性が相次いで感染・死亡した。

両者の家で得られるあらゆる水を徹底的に検査した結果、男子大学生の家では温水器など、50代女性の家では浴槽の排水溝などからアメーバを検出した。

また、2人とも蓄膿症であり、それに伴う鼻づまりを改善するために「鼻洗浄器」を使用していたことが判明した

また、2人とも鼻洗浄器には蒸留水か殺菌処理された水を使用しなければならないのに水道水を使用していたうえ、鼻洗浄器の手入れも不十分なまま繰り返し使っていたことも判明した。

これらのことから、保健所は「それぞれの家の温水器・浴槽内で増殖したアメーバが空中を漂い(あるいは、温水器→水道水→鼻洗浄器の経路)、手入れが不十分な鼻洗浄器内でも増殖して、それを使って鼻を洗浄した際に鼻腔からアメーバに感染したもの」と断定した。それと合わせ、「不適切な鼻洗浄器の使用は危険」という警告を発した。なお、これ以降は鼻洗浄器からの感染は報告されていないため、この感染例はかなり特殊なものであったと言える。(wikipediaより)

水道水を使った上で自身の温水器や浴槽内でアメーバが増殖してしまった例です。

怖いですね。まさか水道水で増殖するとは。

鼻炎の子供がいたりすると鼻の洗浄機を使う方もいるかと思いますが、その際には適切な鼻洗浄機の使用方法を守ることを強くオススメします。

日本での感染例はある?

唯一の日本での感染例
  • 日本では、1996年11月に佐賀県鳥栖市で25歳OL女性が発症
  • 発熱して会社を休むも熱は下がらず、頭痛や嘔吐に苦しんだ
  • その後も熱は下がらず、昏睡状態で久留米大学病院救命救急センターに緊急搬送された翌日に感染が判明
  • 7日目に意識混濁、9日目に死亡
  • 感染経路は不明
  • 死亡後の病理解剖で、脳が「半球の形状を保てない程軟化していた」という
  • 冬に感染しているため川や湖の水経由の感染とは考えにくい

アジア圏でも患者がいると思われているが、実際にどのくらいの人が感染したかわかっていない。

水田(たんぼ)や温泉も殺人アメーバがいる?

●日本では水田がフォーラーネグレリア(殺人アメーバ)が生息するには絶好の環境。

●水田では泳がないにしても鼻の中に水田の水が入ると感染する危険はあるという。

●温泉も危険だと入れているので子供たちが頭まで温泉に入ることがないように気をつけましょう!

●フォーラーネグレリアは46度のお湯でも生息できるという報告もあるため温泉や湯船ではきをつけたい

フォーラーネグレリアは、湖や温泉など温かい淡水の環境で繁殖します。フォーラーネグレリアが生息する淡水を浴び、それが鼻に入った者が発症するので、温かい淡水の場所ではできるだけ顔を水に入れないことが大切ですね!

どんな症状?

  • フォーラーネグレリアによりPAM(原発性アメーバ性髄膜脳炎)に感染すると、1~9日(中央値は5日)ほどで脳の組織が溶けてしまう。
  • 初期症状は発熱、寒気、嘔吐、頭痛などで、症状が進むと首の痛み、痙攣、意識障害、幻覚などを起こして昏睡状態に陥り、1~18日後には死に至る。

 

通常、感染後5日~1週間ほどして症状が出始めるが、頭痛や吐き気など最初はありふれた症状で、気づくのが遅れてしまったり、髄膜炎と症状が似ているので処置も遅れてしまう場合があるようです。

湖など温かい淡水で泳いだ後の体調悪化の際は極めて稀なケースではありますが、PAMに感染するかもしれないということを知っておいて損はないでしょう。

どうしたら防げる?治療薬はある?

水温が高くなる7月から9月に淡水で泳ぐ時は特に注意が必要で、感染すると約98%が死に至るということを知っておきましょう。

PAMの予防には、水温が高く水位が低い時期の入水を避けたり、鼻クリップやマスクの使用、頭を水に入れないことなどが有効だそうだ。

治療薬はミルテフォシンというものがあるが効かない場合もあるそうで、非常に早い段階で薬を与えることが重要何よりも重要とのこと。

最後に

夏には湖や川に行く人が多いでしょう。

完全にこの病気が感染することを防ぐことはできないかもしれないけれども、湖で泳ぐ際には顔をつけないなどの対策が必要だと思います。難しい場合はこの病気の感染可能性があることを知っておくだけでも違います。

たくさんの人が湖や川でおよいでいるのに、ごく稀に感染する原因はわかっていません。何が感染リスクを高めるかもわかりません。もしかしたら、その人の免疫の強さとも関係あるかもしれません。でも健康な人が感染しているのでまだ未知のことだらけです。

湖や川や池などで遊んだ後に激しい頭痛等があった場合はこの病気に感染している可能性を考えて病院で話すと良いかと思います。湖などのレジャーに行く方はどうぞ気をつけてください。

怖くなってしまいますが、小さい子供は温泉でも暴れたり鼻に水が入ることがあるかと思います。ですので、日本では水田や温泉も要注意ということも記憶にとどめておくといいかもしれませんね!

===この記事の参照サイトは下記===

参照:https://article.yahoo.co.jp/detail/7138d938040d9c91c87254d7c762cc5df2bce9a0

参照:https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukamakiko/20181019-00100553/

参照:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11061.php

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